わかめや昆布、ひじき、もずくなど、日本では昔から食卓に上ってきたさまざまな海藻類。こうした褐色海藻(褐藻類)に含まれる成分『フコキサンチン』には、抗肥満、抗糖尿、抗酸化、抗炎症などの機能があるという研究結果があり、学術誌や学会で近年注目されています。
わかめや昆布、ひじき、もずくなど、日本では昔から食卓に上ってきたさまざまな海藻類。
こうした褐色海藻(褐藻類)に含まれる成分『フコキサンチン』には、抗肥満、抗糖尿、抗酸化、抗炎症などの機能があるという研究結果があり、学術誌や学会で近年注目されています。
フコキサンチンは、昆布やわかめなど褐藻類の油部分に含まれる、カロテノイドと呼ばれる色素の一つで、新鮮な物で多いものでも0.02%程度と非常に微量しか含まれていません。
少し話しは変わりますが、ここで人間の体内に存在する脂肪細胞についてご説明します。
脂肪細胞には「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があります。
白色脂肪細胞は全身にあり、とくに下腹部、お尻、太もも、背 中、腕の上部、内臓の回りなどに多く存在しています。
普段「体脂肪」と呼んでいるのは、この白色脂肪細胞のこと。
体重がそれほど多くなくても、下腹部やお尻、太ももなどの太さが気になる人が多いのは、これらの部分に白色脂肪細胞が多いためです。体内に入った余分なエネルギーを中性脂肪の形で体に蓄積する働きがあります。
それに対して褐色脂肪細胞は、首の周り、脇の下、肩甲骨の周り、腎臓など存在場所は限定され、体内のエネルギーを熱に変え体温を保つ働きがあります。
また、体の中に栄養が過剰に入ってきた際、余剰分の栄養を熱に変換して放出することで、肥満を防止する効果があると言われています。こうした役割を担っているのがUCP1(脱共役タンパク…栄養素のエネルギーを熱に変えるタンパク質)です。
このUCP1こそが、フコキサンチンと繋がるキーワードとなります。
フコキサンチンには、白色脂肪細胞内に本来存在しないUCP1を発現させる作用があることが、北海道大学をはじめとするいくつもの国内外の大学、企業などによる研究・臨床試験により明らかになっています。
「体脂肪」である白色脂肪細胞内にUCP1が発現したことで、効率的な脂肪の燃焼、体重、体脂肪減少効果が確認されたのです。こうした作用の分子レベルでのメカニズムが明確な成分はこれまでにないそうです。
人間での臨床試験においても有意な体重・体脂肪の減少がみられました。本来はエネルギー蓄積の役割を持つ白色脂肪組織において脂肪の燃焼が行われることは、肥満抑制においては最も効果的と考えられています。
実験では血中の糖分量の減少が見られたことから、抗糖尿病効果もあると考えられています。
フコキサンチンの含まれる海藻をたくさん食べればやせられる?と短絡的な考えが頭をよぎりますが、含まれているのはごく微量。
その効果を狙うというより、むしろ食物繊維やミネラルが豊富、しかも超低カロリーの食品であるという面で、毎日の食事に取り入れるとダイエット効果が得られるでしょう。
今回のまとめ
海藻は味噌汁、酢の物、煮物など昔からの和食によく用いられる食材です。
日常の食事を和食中心にすれば、自然と太りにくいメニューになりますよ!