麦、あわ、きびなど、雑穀が体に良いことは、もはや日本では常識と言っても過言ではありません。
そんな中、世界的に認められている雑穀があります。
それは「キヌア」という南米原産の雑穀です。
2013年に国連により「国際キヌア年」が制定されたことで、世界での認知度が高まり、それに伴い需要も増えてきています。
欧米、特に健康志向の強いアメリカで人気が高く、数々のセレブたちもキヌアを美容・ダイエット食として取り入れているようです。
日本ではまだそこまで広まっていませんが、お米に混ぜて炊くことができるので取り入れやすく、今後定着していくかもしれません。
■キヌアってどういうもの?
キヌアは直径1~2ミリのプチプチした食感の粒で、南米アンデスの高地が原産の雑穀です。数千年前から栽培されており、地域によってはキノアと呼ぶところもあります。
近年注目され国際キヌア年が制定された背景には、様々な成育環境に対応できる生命力の強さがあります。
マイナス8度の寒さから38度の暑さにまで耐えられ、低地でも標高3000メートルの土地でも育ち、やせた土壌、干ばつや塩分濃度の高い土地にも耐性があり、たくさんの実を付けます。
この適応力が世界の食糧不足を解消し、飢餓や貧困などの対策になることが期待されています。
こうした強い生命力のみならず、キヌアの高い栄養価も当然注目されています。
雑穀は総じて栄養価が高いことで知られていますが、キヌアも例外ではありません。
キヌアは白米と比較すると、カロリーは若干少なく、タンパク質2倍、食物繊維8倍、カルシウム10倍、鉄分8倍、マグネシウム7倍、リン7倍、カリウム6倍、亜鉛2倍、と、多く含まれています。
食物繊維が豊富ですので、血糖値が急上昇するのを防ぎ白米よりも太りにくいだけでなく、しかも美肌作りや脂肪の代謝に大きく関わるビタミンB群を多く含み、中でも造血作用を持つ葉酸は緑黄色野菜並に豊富です。
必須アミノ酸9種類すべてを含んでいる点も見逃せません。
そのバランスを表す「アミノ酸スコア」は100に近いほどバランスが良いとされ、白米が65に対しキヌアは85。
キヌアはタンパク質を多く含むため、白米よりも高スコアとなっています。
脂質は白米よりもキヌアのほうが多少高いものの、リノレン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸が主です。どちらもいわゆる体に良い油ですので、適量を摂るべき脂肪酸です。
■キヌアの食べ方
最も手軽な方法としては、ご飯と一緒に炊くことです。
キヌアの粒は小さいので、目の細かいザルを使ってよく洗い、炊飯器で通常通りに炊けばOK!
もしにおいが気になるなら、チャーハンやピラフ、リゾット、オムライス、カレーなどの食べ方をすると良いでしょう。
ご飯と一緒に炊かずにキヌアだけを調理することも、もちろんできます。洗ってから同量よりやや多めの水と一緒に鍋へ入れ、中~強火にかけます。沸騰したら弱火にして14分。これで炊き上がります。
その他の食べ方は、スープに直接入れて茹で具として食べたり、きゅうりやトマト、みじん切りにした玉ねぎと和えてサラダに、シリアルやヨーグルトに混ぜるなど、色々な使い方ができます。
一度にたくさん調理をし、冷凍保存をすることも可能です。
今回のまとめ
NASAに『21世紀の主要食』と言わしめた注目の「キヌア」。スーパーの雑穀売り場でも、キヌアをよく見かけるようになってきましたので、入手しやすいと思います。
サプリメントを飲むよりも、こうした栄養価の高い食品を日々の食事に取り入れてみてくださいね。